はるぞら。
一寸先は


一寸先は闇という言葉がある。


簡単に言えば次にどんな展開があるかなんてわからない、みたいなこと。

まぁ今の私の現状も似たようなものであって。

さっきまで朝ご飯を一緒に普通に食べていたお母さんに


「――げぁっ」


ぜっさんフルボコられ中でありまして。





がったんばたばた。


私の回りにあった家具が大仰な音をたてて倒れていく。

怒られてるほったんが何だったかなんてさっき頭打った所為でどっかにおとしちゃったみたいだ。

うぅん、痛い。

「ほら、立てよオラ!」


痛みに呻いて身動きがとれなかったら、頭、あ間違えた髪の毛を鷲掴みにされる。

思い切り上にあげられて足が浮いて、ぶちぶち髪の毛から嫌な音が聞こえた。

ちょ、頑張れ私の毛根。

この年で若ハゲは死活問題なのですよ。

そのまま横にすいんぐされて、 背中から何かに叩きつけられた。

ぼすん。

私の体を受け止めたのはソファーで、衝撃を吸収してくれる。叩きつけられた反動で、身体が少しはねた。


また殴られた。

殴る。殴る。殴る殴る殴る。

口の中がたくさんきれて、血の味がする。

ごっとん。

ソファーから、頭から、落ちる。

ああ、まずいなぁ。
今私の体はむぼーびに床に転がっている、から早く立たないと「っ!!!」って遅かったか。
ちっ、と音にはせずに口の中で舌打ちする。

お母さんの足が私の頭を目一杯踏みにじってから一旦はなして、「ぅがッ」また床に踏みつける。フローリングだから痛い。
ゴンッ。音がして、しばらくは立たない方がいいって理解する。

最初から床に頭を擦りつけておいた方が、痛くないから。


< 1 / 5 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop