吸血姫デレキュラ
毎度の事ながら、大きな瞳を潤ませ、頬を蒸気させ、薄く小さな唇を舌で湿らせながらオレの首もとを見つめるその仕草は思春期の高校生男子には刺激が強すぎるね

「ああっ!ミイナ様っお止め下さい!ソイツは御先祖様の宿敵なのにっ!」

向かい合う俺達の足元を真っ黒けの胴長短足がキーキー言いながらクルクル駆けずり回る

「ああっ〜!ダメダメダメダメ!ミイナ様ミイナ様ミイナ様ミイナさまぁっ」

…パニック状態だ、いつもの事だが少し可哀相になってきた

「うるさいっ!レンフィールドッ!ハウスッ!」

するとさっき現れた時の穴が、今度はレンフィールドのすぐ後ろに開き激しく風を吸い込み始めた!

ヒューーー…

吸い込まれまいと必死にアスファルトに爪を立ててしがみつく黒い塊

「ん〜!ダメダメダメ……まだ帰りませんよ!?ん〜〜…まだまだ……ああっ」

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やかましい備長炭は掃除機に吸われるゴミのように穴の中に吸い込まれていった!

ミイナは穴の中にレンフィールドが吸い込まれるのを確認するとその穴に「ふっ」と息を吹きかけた

するとその穴は音もなくと消えた

「…さあ…ヴァン…頂戴…」

「ああ…」

艶やかで小さな唇がフワリと開き、はだけたオレの首もとに暖かく柔らかな体温が密着する

「…あ…うっん…」

すまん…今の喘ぎ声はオレな…

ミイナの唇が触れた途端に身体が凍えそうなほど寒くなった!
急激に体温が下がったからだ

……はい!御名答!オレは今、いわゆる吸血鬼に血を吸われている訳だな
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