吸血姫デレキュラ
人間に関わらず生物(特に温血生物)は不自然に血液が外部に流出すると急激に寒くなるんだ。

熱い魔法瓶の中身をある程度の量こぼしてしまうと、魔法瓶そのものの温度が急激に下がるのと同じ理屈だと考えてくれればいいや!?

あれ?…分かりにくい?

そうだなぁ……小便するとブルッと来るだろ?
まぁ早い話がアレだよ…

ミイナに血を吸われて凍えを感じたすぐ後に今度は額から汗が吹き出るほど身体が熱くなる。

全身の神経が剥き出しにされたコードみたいにピリピリとしてきた。
ワイシャツの下のシャツがこすれるだけても熱くて火傷しそうだ

あらゆる感覚が肥大化し周囲の情報が一気にオレに押し寄せてくる

空中の大気がうねる音
遥か遠くの鳥の羽ばたき
周囲の家の中から聞こえてくる無数の呼吸音と心臓の鼓動
神社の屋根裏のネズミの屁まで聞こえてくる!

はい!それも御名答!

今、この世に現存する人体変異の中でも最強と謡われる吸血鬼の力がオレの身体に流れこんで来ているのだ!

ミイナ

彼女の名前はミイナ・ヴラディスラウス・ハーカー

「ヴラド・ツェペシ」「ヴラディスラウス・ドラクリア」「カルパチア領ワラキア公」「串刺し公」「最悪の始祖」「ノスフェラトゥ」

「魔神ドラキュラ」

その昔、ドラキュラが愛した人間、ミイナ・マリアとの間に生まれた子孫の直系が彼女

ミイナ・ヴラディスラウス・ハーカー

「大好きよ…ヴァン…」

さっきも言ったようにあらゆる感覚が肥大化する
……当然オレが彼女を思う気持ちも同じ

「ああ…オレもだよ…ミイナ…」

オレの名前は相原健吾

エイブラムズ・健吾・ヴァン・ヘルシング・相原
< 5 / 8 >

この作品をシェア

pagetop