マリア
 二人は海の見える教会でそのあと式を挙げた。神父と二人以外は誰もいなかったが、かえってそれがとても神聖な儀式のように思えた。
 もしかしたら、徳二郎はもう長くない。その言葉を忘れたわけではない。だけど、マリアはこの幸せなひとときが永遠に続くように願う。
 お願い。この愛しい人を連れていかないで…神様…。
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