君の、瞳に。【短編】
君の、瞳に
「…かえ?」
「…ん?」
「どしたの?」
その鈴の言葉に、あたしは窓から鈴に視線を移す。
「…何が?」
「外、雨だよ?」
「………。うん」
「嬉しくないの?」
「……いや」
不思議そうな顔をする鈴から目線をまた空に向けた。
……あの雨の日。
あっくんは、あの場所に来なかった。
その次の日も、曇りだったのに来なかった。
“…………ばいばい”
あれは、別れの言葉だったのかな?
「不思議少年と、なんかあったの?」
「………会えなくなっちゃったの」
「へ」
「会えなくなっちゃったんだ…っ」
会いたい。
会いたいよ…あっくん。
…何でこなくなっちゃったの?