君の、瞳に。【短編】




「ねぇ、何で?」


──あぁ、しつこいな。


「目にゴミが入ったの。

で、寒くないの?てか、何してるんですか?」


目にゴミが入った、とか明らかにありえない理由を言ったあたしにその人は顔をムスッとさせた。



「……」

「ねえ…っ」

「……滝修行」

「……」




…このやろう。


仕返しか?


ムスッとした表情でそう言った少年を軽く睨む。



「…それは、すごいですネ」

「………めっちゃ寒い」

「……」



きっと、この人はバカ。

いや、それかアホなんだと確定した。




こんな台風の中、そんな薄手で外に出て、寒くないなんて言う人なんていないだろう。


てか、寒いなら何故、滝(雨)にうたれてるわけ?





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