君の、瞳に。【短編】
「…あのさ、あっくん」
「ん?」
「今、何て言った?」
あたしがそう言うと、あっくんはきょとんとした顔をする。
「…え。俺、長男…?」
「違う。その後」
「…鈴に任せちゃおっか?」
──え。
「え。何で、鈴?
え…てか何で、あっくんここにいるの…っ?」
落ち着いてみると、不思議がいっぱいだ。
だって、いきなり鈴に連れられて、鈴の家に来たら、そこにあっくんがいて、それであっくんは鈴のことを知ってて──…
「やばい、頭パニクる…っ!」
ただでさえ、あっくんの事でパニクってたのに…っ!
しかもさ?
あたし、まだあっくんの軽く抱きしめられてるし?
もう、トルプル攻撃だよ、おい。