君の、瞳に。【短編】
「…かえ?」
「ややっ、今パニクり中」
「ふはっ、何それ」
そう言って笑うと、あっくんはぎゅうっと優しくあたしを抱きしめる。
あっくんに包まれる体が、心地よい。
「…鈴に聞いて来たんでしょ?」
「いや、それが来たというか…何というか、拉致られたというか…「そこのイチャついてる二人」
…は?
いきなり聞こえた声に、あたしはあっくんから離れる。
「……鈴だ」
「かえ、良かったね」
いきなりの登場にビックリしたものの、優しく笑う鈴に涙が込み上げてきて、あたしは鈴に抱きついた。
「…す、鈴ぅ!あ、会えたよ…っ」
「良かったねっ」
ぎゅうっと二人で抱きつきあう。
少し苦しいが、それは気にしないでおこう。