【十の瞳】
幕間劇
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蝶子は、深夜に“犯人”を自室に呼びだした。
たった一人で、“犯人”に罪を問いただしていたのだった。
「――私の推理、正しかったかしら?」
“犯人”は、何も答えない。
下を向いたまま、ただ彼女の言葉に耳を傾けている。
「……アリバイなんて関係ない。
最初からこの殺人は、あなたにしか、出来ない事だったのよ……」
彼女は“犯人”に、爬虫類のように無機質で大きな瞳を向ける。
蝶子は、自分勝手な行動をしていながらも、誰よりも早く真実を掴み取っていたのだった。
「でも、一つだけ分からない。
あなたの動機は、何だったの……?」