【十の瞳】
これは、事故なのだろうか。
「今の悲鳴……いったい何が……」
「ひぃっ! 八野さん……!」
応接室から、えどがぁやファニーペイン達も出てきた。
「この包丁……もしかしてキッチンのじゃ……」
ファニーペインが、八野の喉元を指して言った。
「本当だ……」
コロが同意する。
包丁は、キッチンにあったらしい。
つまり、誰にでもくすねられるということだ。
えどがぁ達の話によると、八野はトイレに行くと言って、応接室を出たとのことだった。
彼女の悲鳴が聞こえてきたのが、大体それから二十分くらい経ってかららしい。
しかし、トイレは一階にもある。
用を足すのが目的だったなら、彼女が階段を登る理由にはならない。