【十の瞳】
二日目
次の日は、朝から不吉な一報が舞い込んできた。
土砂崩れである。
この廃村に繋がっている道は、どうやら一つしかなかったらしい。
そこに土砂が傾れ込み、塞がってしまったと言う。
これでは『紡ぎ車』のスタッフや劇団員が来ないどころか、帰れないかもしれない。
更に暴風雨でケーブルが切れたのか、固定電話も通じない有り様だという。
テレビはアナログで、DVD再生用としか機能していない。
唯一使い物になったのはラジオだけだった。
でも、ラジオではこちらから、コンタクトがとれない。
まさに、閉ざされた世界。
なんという、お約束的展開。