【十の瞳】
三日目
人って、あんなにも簡単に死んでしまうものなんだな……。
僕はじゃがいもの皮を剥きながら、ふとこれまでの事を思い返していた。
「お、意外と器用なんだな」
背後からひょいっと、ファニーペインが覗き込んできた。
「そうかな……」
「包丁でこんな薄く剥けるんなら大したもんだ」
「はは、ピーラーの場所分かんないからね……」
僕達は、朝食の準備をしているのだった。
傷心のタキさんをこき使うわけにもいかず、
かといって食事をまるっきり抜く事も出来ず、結局こんな事になってしまっている。