Art White Hair 桜通り店



足取りが軽い人物は、ここにもいる。
鼻歌まじりに携帯を取り出すと、慣れた手つきで指定の番号を呼び出す。


「もしもし、上条だ」
「決まったぞ、そっちの店のマネージャー・・・、ああ」
「なんだその反応。・・・・今のマネージャー?


 ・・・おろせ。あいつはマネージャーなんか無理だよ」





思いのほか、仕事が早く決まることを、私は知らない。

そして
断れない、
お人よし、
いつも愛想笑い、
が取り柄の私が、人に憎まれることもまだ、知らない。

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