今日降る雨、明日吹く風
あれだけ待って(と、言っても数十秒だが)上って来なかったエレベーターは何事もなかったように8階で止まっていた
女『………………』
ポチッとエレベーターのボタンを押し、今日別れたばかりの男だけでなく、エレベーターを使う階に住む人間全員に小さい嫌がらせをして外へと出たのだが、朝のエレベーターは1階で止まっている確率が高いからきっと何の嫌がらせにもならないだろう
エントランスから外へ出ると、深夜の閑静な住宅街ともあって閑散としてる
女『さて……どうしようか………電車もないし、タクシー使うとしても家まで結構離れてるし……』
給料前の財布は心なしか軽く、そして薄っぺらく感じた
女『明日休みだし、どっかで朝まで飲もうかしら』
タクシー代は渋るのに“呑み代”となると財布が緩むのは男女共通して言える酒好きだけの特典かもしれない
女『確か駅前に居酒屋があったわね…まだやってるかしら?』
マンションから10分程の駅までトボトボ歩くが、やはり女一人の夜歩きは怖いものだ、こんな時こそ身を引き締めて歩かなければ……