会いたい君へ
「…女だろ?俺が他に女がいると思って来たんだろ?」

図星…。
あたしはうなずいた。

コウキは溜め息をつく。

「おまえはバカか。俺の事信じてないのかよ」

「……」

「あの店は俺の店だけど、働いてる女はアニキの女だよ。お前、ミカの事疑ってんだろ」

なんでわかるの?鋭い。

「…うん。みんな綺麗なコばかりだし、みんなあたしと比べものにならないし…」

「ふーん…あとは?」

「…あとは、あんな綺麗な人ばかりに囲まれてたら、あたしなんか全然で…。コウキだって綺麗な人の方がいいと思うし…」

「何だよそれ?」

「ごめんなさい…」

なぜか謝るしかなかった。

でも疑っちゃうよ…自分に自信がないから。
< 38 / 60 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop