会いたい君へ
「俺がなんでお前に付き合ってって言ったかわかるか?」

あたしは横に首を振る。

「お前を一目見て、俺はお前を女にしたいって思ったんだ。俺の周りにはろくな女がいない。金に飢えてる女、嫉妬の塊…。俺もそんな女達と付き合ってきたけど必ずうまくいかなくてケンカ別れした。でも初めてナナと出逢って、きっとナナは違うって感じたんだ。…あの時大事にするって言っただろ?」

そうだったんだ…。

初めて聞いたコウキの本音だった。

ずっと軽い気持ちで付き合ってるんだと思った。

あたしはただのキープなんだって。

でも今の言葉を信じようと思った。

あたしは泣きながら謝った。

コウキはあたしの頭をポンッと叩いた。
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