愛しき人
『俊哉・・・結婚受けてから、こんな話するのは卑怯かもしれないけど、やっぱい聞いてほしい。私の事で、これからは私たちのことだから・・』

「うん。分ったよ。」

『私は本当は片瀬美咲ではないの・・・本当の名前は・・・・
 ・・・・一之瀬 美咲・・・・・・
私の父はNFコーポレーションの社長、私はその娘・・・・
私の本当に住んでいるのはここではない。ここは会社に提出する住所用のダミーなの。
本当はここからタクシーで10分くらいのところにあるマンション。
兄は弁護士なのは本当。でも、現在は、父の会社で働いている。
そして、俊哉にNFの娘との縁談があったでしょ。それは私が兄に頼んだの・・・・』

「美咲がNFのご令嬢???」
「みさきっ。それって、オレがABCの・・・・・」

『知ってた、結構前に・・・・・家に帰ろうとしたときに俊哉がエレベーターから出てきて、私の隣の部屋に入っていったことがかったの。その時、びっくりして、お兄ちゃんに頼んで、すぐに調べてもらったの。
ひどい話だよね。本当に。

・・・・・ごめんなさい・・・・・・・』


「みさき。お前つらかったんじゃないか。じゃ、本当の家はオレの隣・・・。じゃあ顔会わせが伸びたのは?」

『顔会わせれば、ばれてしまうから、でも、他の人とお見合いしてほしくなくって・・・・ひどいよね。ごめん』

「そうだったのか・・・良かった・・・」

『えっ??』

「みさき、オレも隠していることがある。もう、知っているだろうけどおれの口から言わせて・・・

オレは高橋俊哉ではなく、、、鳴海俊哉・・・・
ABCコーポレーションの社長の息子だよ。
オレも、言えなかった。きっと美咲もオレと同じだったんだよな。気が付かなくてわるい・・・」

『そんなことないよ。ごめん。俊哉の口から聞けてよかったよ』

「オレもだよ。前に、おにいさんには伝えようとしたことがあったんだ。でも、お兄さんに美咲に直接話すようにって・・・その時もう、知っていたね・・・・」

『ごめん・・・』


それから、今までの学生生活でお嬢様だからつらかったこと、お互い、色々と話した・・・・・
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