愛しき人
私が付いたのは狛江にある実家。

ってか。このまえまで住んでいた自宅。

無駄にでっかい土地に大きな家。


『ただいま~』

「おかえりなさいませ。みさきお嬢様」

数名のメイドが私を出迎えた。

『ただいま』

いつもの光景。
うちには何人もお手伝いさんや運転手など他人がいっぱい住んでいた。




・・・そう。私の実家。かなりのお金持ち。私、片瀬美咲は社長の娘。
 父が社長の会社はNFコーポレーション。
私が就職したABCコーポレーションよりも大きな会社で、
一言で言ったら日本一の規模の会社らしい。

祖父が現在会長。
父があとをついで現在社長。
母は父の秘書をしていて、父が口説き落として結婚をしたそうだ。
(もともと、母はごくごく普通の家庭の人だったみたい)
祖父も反対することなく、すんなりと結婚ができたみたい。

私の兄弟は兄が一人。兄は法学部に進学して、卒業と同時に司法修習生となった(いわゆる司法試験に合格した)
弁護士バッチを手に入れた兄は2年位父の会社の顧問弁護士事務所で勤めたのち、現在は父の会社を手伝っている。

そして、私・・・・

父御の力をかり、
取引がある会社ABCコーポレーションに短大卒の私が入社することができたのだ。・・・・
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