愛しき人
「課長のことだけど、仕事に関してはすっごく鬼でしょ。」

『ぅぅぅー。』

「いいのよ。みんなそう思っているから・・・」

『そうなんですか?』

「うん。でも悪い人ではないのよ。」

『そうなんですか?』

「仕事は仕事だから、きちんとやらないと会社って成り立たないでしょ。
だから、仕事中は鬼みたいなの。
でも、タイムカードを押してプライベートになるとお兄ちゃん見たいな感じかな~・・・」

『そんなに、ギャップがあるんですか?』

「あんな感じだけど、プライベートの時間は彼氏の相談に乗ってくれたり、人間関係の相談乗ってくれたりって感じ」

『そんな風に見えませんが・・・』

「すぐにわかるわよ。仕事中だって、きちんと部下を見ていて、鬼の中にも優しさはあるから、部下によって対応も違うのよ。」

『そうなんですか。』

「だから、今日のランチだって、私に託したんですものね」

『えっ。』

「冗談見たいに言っていたけど。出社拒否って。」

「課長が見た感じ、美咲ちゃんが少しつらそうにみえたんじゃないのかな」

『そんなっ・・・・』

「そうなのよ。だから、鬼だけど、みんなついて行くのよ。あの人に・・・」

課の人はみんな怒鳴られたりしてるけど、嫌な顔している人はいなかった。 きっと、課長を信頼して、頼っているから-----


『エリ先輩。ありがとうございます。お話聞けて、良かったです。午後からも頑張れそうです。』

「そっ。それは、よかったわ。」

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