愛しき人
「片瀬、何があった??」

『何って。なんですか?』

「今日も片瀬は抜けがらだ。どうしてだ。」

『そんなことはないですよ。いつもの通りです。』

「・・・・・・」

『かちょう・・・??』

「あー。そこまで無理するな。何か力になれることはないのか?」

『えっ?』

「驚くことじゃないさ。毎日一緒にいるからな。お前の表情を読み取るようになったんだ。だから、今、怒っているとか楽しいとか分るようになった」

『・・・・・・』

「今ののお前は苦しそうな感じにみえるよ・・・」

『・・・・・・』

「心に引っかかっているものを吐き出すだけで、すごく楽になる。言ってみろよ。もちろん、仕事以外のことでも問題はない。」

『・・・・・・グズン』

「泣きたければ、泣けばいい。泣くことではれることはあるさ」

『課長・・・・』

「どうしてもとはいわない。言えるようになるまで待つよ。」

『課長・・・・』

「大丈夫。何も怖くないよ。
 悩み、苦しむことは人間を成長させてくれる。」

『課長・・・・』

「もちろん、今、ここで聞いたことはここだけの話だ。外に漏らすこと派内から、その点は心配しないで・・・」

『はい。ありがとうございます。』

・・・それから、真人のことを話した。今回のことだけではなくて、今までのすべてを・・・・・・

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