愛しき人
『課長。すいませんでした・・・・』

片瀬が謝ってきた・・・
片瀬は何も悪くない。言われていただけだ・・・

だけど、片瀬の気持ちを知りたいともおもった。
そして、オレは片瀬に質問も投げた。


「それとも、元カレが言っていたことは事実か?忘れられないとか・・・」

『それはないです。絶対に・・・』

「そうか。でも、新しい彼氏作らないな・・・」

『作らないのではありません。作れないんですよ。仕事が忙しくって・・』

「それはオレのせいか???・・・・」

『かもしれませんね。って言っても、今、好きな人はいますけど・・・』

「・・・・・」

『どうしたんですか?課長』

「いや。何でもない。その男に告らないのか?」

『多分、無理です。言ったところでだめですね。私のことなんて女として見てませんから・・そのあと、仕事やりにくくなるし・・あっ』


片瀬から、好きな男がいることを告げられた。ショックだった・・・
しかも、課内にいる奴だという・・・誰だ?誰が、片瀬の惚れている奴なんだ????しかも、こんなかわいい子を女として見ていないだと・・・
呆れてものも言えない・・・


オレは冷静なふりをして、上司の仮面をかぶって告げた

告白して、もし、だめだったとしても、仕事は仕事だ。相手がやりにくい態度をとるなら、オレが、それは対応してやると・・・


オレは、馬鹿だ。課内の独身男で、片瀬を嫌っている奴はいない。この前男どもを飲んだ時、かわいい。かわいいともてはやされていたから・・・

きっと、片瀬はその男のものになる・・・
そんなでいいのか??
いいわけないだろ・
でも、オレはなすすべがなかった・・・・


午後の仕事はてにつかなかった・・・・

< 73 / 149 >

この作品をシェア

pagetop