愛しき人
 ・・・高橋課長side・・・


もう、限界だった。オレにとって初めての感情だった。

この一週間、片瀬のことが頭から離れることはなかった。仕事中も家に帰ったからも、

片瀬美咲がほしくてたまらなかった。今のオレはただの上司。

あいつの肩を抱くことは許されない・・・・

いままで、女なんて腐るほど抱いてきたし、相手もしてきた。
でも、今のオレは無力だ。中学生以下かもしれない・・・


こんなんじゃ、仕事にもならない。

それなら、いっそ、気持ちよく振られて、あいつの惚れている奴聞きたいとも思った。


仕事終わりに、近くに小料理屋の片瀬を誘っては入った。

この店は何度か、来ている。すべてが、個室のように区切られているから、話しやすい雰囲気がある。

今日はここで、片瀬に伝えよう・・・・
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