愛しき人
課長と向い合せに座った。
課長がビールと料理を注文してくれた。
『課長。この店、来たことあるんですか?』
「あー。何度かな」
『そうなんですか?』
「片瀬は初めてか?」
良いお店ですね』
「まあ、ゆったりと出来るよな」
『課長は大人ですね。』
「オレを年寄り扱いするな。課長の中で一番オレが若い。」
『知ってますよ、異例の出世と聞いてます。
それに課長と9歳しか離れてないじゃないですか。。。』
「どっかの誰かさんは奥さんがいて、子供がいて、30半ば~40くらいと勘違いしていた奴もいたがね・・・・」
『すいません。でも、課長・・・』
「なんだ。」
『今って、仕事中でか?それともプライベートですか?』
「今は、飲んでいる。プライベートだ。」
『だったら、何で、仕事モモードなんですか?ちょっと怖いです』
「すまん。ちょっと考えことをしていた。」
『課長でも悩むことがあるんですね』
「オレを何だと思っている?そんなに、冷徹に見えるのか?」
『はぃ~。今はもう、大丈夫ですけど、本当に初日は出社拒否?出課拒否しようかと思いました・・・』
「そうか。そんに怖かったか・・・・」
『でも、そんな課長でも、課長が言ってくれた言葉で、私、ここまで、出来るようになったのも事実です。』
「オレが言ったこと?」
『それは秘密です。私の大切な言葉だから・・・』
私は少し、顔が熱くなった。きっと顔が赤いんだ・・・
「かわいいな。そんな顔して・・・」
---課長??今なんて言いましたか???????-----
『課長??』
「どうした?」
『今、課長なんて言いましたか?』
「どうしてだ。」
『私の聞き間違えではなければ、私をかわいいと・・・・』
「言ったが、駄目だったか?それはセクハラか??」
『違います。セクハラではありません。言われたほうが、不快感を持てばセクハラですけど・・・』
「じゃぁ。片瀬は不快感を持たなかったんだな。」
『はぃ・・・』
「嫌か?オレからこんなこと言われるのは?」
『こんなこと??』
「お前をかわいいとか・・・・」
『そんなことは ないですぅ・・・』
「そうか。それなら良かった・・・」
『意味がわかりません。何が、よかったなんですか?』