愛しき人

「お兄さん。単刀直入に・・・
私は、美咲さんにうそをついています・・・」

「それは、美咲が悲しむよなものですか？」

「わかりません。美咲さんがどのように受け止めるかです」

「そうですか・・・でも美咲にもきっと言いたいけど言えないこともあるのだと思いますよ。それを聞いても、高橋さんは美咲を嫌いにならないと言えますか？」

「それは・・・美咲さんが私を好きでいてくれるのでしたら、問題はありません・・・」

「そうですか・・・それで、高橋さんのお話は・・・・」

「それが・・・・」

「それは兄である私が、先に聞くべきことなのでしょうか？よく考えてください。私は、美咲がかわいい。大事な妹です。あの子が傷つくのは見たくない。」

「それは・・・・」

「もう一度、言います。よく考えてください。
あと、美咲の元カレとやらは、高橋さんにはいくら？？」

「大した金額ではありませんでしたよ。ただ、一度渡すと調子に乗りそうなので、好きにしろと言い放ったんです・・・」

「そうでしたか。良かった。その元彼に関しては私で対応しますので、高橋さんは美咲を見てやってください。」

「でも、どうするおつもりですか？」

「はっきり言います。力を使います。あんな小僧の一人や二人、ねじ伏せるだけの力は持っていますから・・・・」

「そうですか。分りました。お任せします。私は美咲と向き合いたいと思います。」

「そう。良かった。私は君。高橋さんに美咲をたのむのですからね。いいですね。高橋さん。」

「はい。美咲のところに帰ります・・・」

「そうですね。あと、ＮＦとの縁談は受けて、顔合わせだけは行ってください。それが、美咲のためです・・・」

「それをどうして・・・」

「蛇の道は蛇って事ですよ。いいですね。受けるのですよ。美咲が本当に好きならね・・・・」

「では・・・・」