リアル
リアル6
薫は纏めた髪をほどき、一息ついた。
ようやく仕事が終わった。
最近、休日は事件について調べる為に隆と行動しているので、どうしても疲れが取れない。
そして、こうして仕事に来ると更に疲れてしまう。
「お疲れ様です」
薫の真横を川原が小さな声で挨拶をしながら通った。
相も変わらず冴えない顔だ。
それは顔立ち云々のことではなく、内面から滲み出る表情だ。
毎日退屈だ。
顔でそう語っているのだ。
薫は彼女の猫背気味の後ろ姿を見ながらあることを思い出した。
川原が以前言っていたブログのことだ。
それが頭の中で「リアルサイト」と重なったのだ。
偽った日々を書き込むサイト。
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