リアル
もしかしたら、と思ったのだ。
川原が普通のブログを書いているようには到底思えないのだ。
これはただの偏見であって、もしかしたら川原には沢山の友人や恋人だっていて、その日々を書いているのかもしれない。
だが、聞いてみる価値はあるはずだ。
薫はそう考えて川原に近寄った。
「ねえ」
薫が声を掛けると、川原はのっそりとした動作で振り返った。
「……何ですか?」
その顔はまるで大した用でないなら話し掛けるなと言っているようだ。
薫は怯まずに話を続けた。
「前にブログ書いてるって言ってたよね」
薫の言葉に川原は無言で頷いた。
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