∮ファースト・ラブ∮
『あなたはどうしたいのかを考えなさい』
それは昨日のお母さんの言葉…………。
…………うん。
そうだね。
そうだよね。
ウジウジするなんて、あたしらしくないよね?
もう、すでに恋は敗れている。
失恋している。
だったら…………これ以上、敗れようにないよね。
そうだね。
ガシャン。
あたしはブランコから飛び降りて地面に立った。
うつむくのは、泣くのはもう、終わりにしよう。
悲しむのも終わり。
あたしは確かに、麻生先輩の側にいれて楽しかったんだ。
あの日々は……たとえ……この体が泡になったとしても、変わらない。
ずっと、あたしの魂として記憶される。