∮ファースト・ラブ∮
彼女になって一日目にして……なんてことをやってのけたのか……。
自分で自分が嫌になるわ…………がっくし……。
ダメージを受けて……落ちた。
それはもう、ズーンと音が鳴るくらい。
再び視線を冷たいコンクリートに向ける。
「ほら」
大きな手が目の前に差し伸べられた。
はぇ?
大きな手の先を見上げれば、先輩の顔があった。
「いつまでも寝そべっていたら、注目の的だよ?」
注目……!!
その言葉で我に返った。
そ、そうだ!!
ここは道端で学校帰りの通学路!!
なんということを仕出かしてしまったのか!!
『華原 手鞠、麻生 久遠の彼女にして通学路で盛大にコケる』
ってなことが新聞部に記事として書かれれば、あたしはもう学校には行けないじゃんか!!
あたしは先輩が差し伸べてくれた手を取って立とうとした直後、
ピキーン!!
あうち!!
右足首に鋭い痛みがはしった。
同時にまた体が斜めになる。
あ、やばい。
また地面に激突する。