∮ファースト・ラブ∮

彼女になって一日目にして……なんてことをやってのけたのか……。

自分で自分が嫌になるわ…………がっくし……。



ダメージを受けて……落ちた。


それはもう、ズーンと音が鳴るくらい。



再び視線を冷たいコンクリートに向ける。

「ほら」

大きな手が目の前に差し伸べられた。



はぇ?



大きな手の先を見上げれば、先輩の顔があった。


「いつまでも寝そべっていたら、注目の的だよ?」


注目……!!


その言葉で我に返った。

そ、そうだ!!

ここは道端で学校帰りの通学路!!

なんということを仕出かしてしまったのか!!



『華原 手鞠、麻生 久遠の彼女にして通学路で盛大にコケる』


ってなことが新聞部に記事として書かれれば、あたしはもう学校には行けないじゃんか!!



あたしは先輩が差し伸べてくれた手を取って立とうとした直後、

ピキーン!!

あうち!!



右足首に鋭い痛みがはしった。


同時にまた体が斜めになる。




あ、やばい。

また地面に激突する。






< 22 / 278 >

この作品をシェア

pagetop