∮ファースト・ラブ∮
「ちゅ、ちゅーもく!!」
パニックなあたしは先輩にそのことだけを話す。
「あー、なるほど……」
先輩は、やっと今の状況がわかったらしい。
周りを見てうなずいた。
……と、思ったら。
ふわり。
突然、あたしの体が宙に浮いた。
にょ、にょえええええええええええええ!?
なんと!!
今度こそあたしの頭は限度を超えてしまった。
爆発するか、停止するか、どっちかだ。
だって、だってね、あたし、今、
先輩にお姫様だっこされてるんだもん!!
し・か・も。
しかもだよ?
ここ、道端だし!
みんなに注目されてるんだよ?
先輩!!
何が『なるほど』よ!!
全然わかってないじゃんか!!