∮ファースト・ラブ∮
死と生の狭間。
そこに……手鞠ちゃんがいる――――。
ぼくは、さっき男性が言っていた言葉を頭の中で反芻(はんすう)した。
もう嫌だ。
彼女がいない世界など、生きていても意味がない。
君しか…………いないんだ。
ぼくを元気にしてくれるのも、
笑わせてくれるのも、
全部――――――――――。
君がいなければ成り立たないんだよ。
「手鞠ちゃん。
起きて…………」
目を…………覚ましてくれ。
ぼくは、手鞠ちゃんのかわいい瞳がまた、ぼくを映し出してくれることを祈り、
ふっくらとした小ぶりな唇に………………。
………………口づけをおとした。