∮ファースト・ラブ∮
………………?
あの光は……………なに?
行ってみようかな。
真っ暗だった世界に、
突然、小さく光る、明るい一点の何かが見えた。
あそこに行けば、きっと今とは違った景色が見えるって思ったから、
『あたし』は意識を光の方へと向けかけた…………時だった。
『そっちへ行ってはいけない』
その声は、とても透き通った、男の人のものだった。
…………?
……だ…………れ?
真っ暗で何も見えない『あたし』は、それでも目を凝らす。
……だけど、やっぱり何も見えなかった。
あの白い光のところに行ったら、声の人も見えるかな?
そう思って意識をまた向けようとすれば、また……声が聞こえてきた。
『いけないよ。
君はまだ、そっちへは行ってはいけない』