∮ファースト・ラブ∮

「ん…………んん!!」

こんなキスなんて道端で恥ずかしい。

止めてほしいと思って声を出したら、キスから解放してくれなかった。


声はくぐもってしまう。


麻生先輩!!


息が…………できない。


「んん…………っん!!」


ボタンを掴んでいた右手を離して麻生先輩の腕に手をかける。

キス……もう恥ずかしいから止めてっていう思いをこめて……。



その途端……ぷち。っていう音が連続して3回聞こえた。


その音と一緒にあたしの口が解放される。


首がスースーするから何かと思えば……いつの間にか最初の方まできっちりとめていたボタンが三つ目まで外されている。

さっきのぷち。っていう音って、もしかして、もしかすると……麻生先輩がボタンを外した音デスカ!?






ですか!?






ツ……ツッ……………。

麻生先輩の指先があたしの鎖骨をなぞった瞬間、あたしの体は電流が流れたみたいになってしまう。

びっくん!!

「ぁ…………」


やだ。

体、それちゃう!!

それにまた、変な声だしちゃった。


そう思って口を両手で押さえる。


「キスマーク、やっと気づいたんだね。

でも、隠すなんてひどいな~。

これは、手鞠ちゃんがぼくのものだっていうシルシなんだから」

ツ……ツッ……………。

変な声を出したくないから両手で口を塞いでいたら、麻生先輩の指先があたしの胸元までなぞってきた。

「………むぐ~!!」

や、やだ!!

体から力……抜けちゃう~!!


ガクン。


あたしの膝はとうとう折れました。






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