∮ファースト・ラブ∮
気がつくと、視線は先輩に置かれていた。
やっぱり先輩はカッコいい。
…………気のせいかな?
あたしと先輩の距離が少しずつ、縮まっている気がする……。
先輩の右の方に、泣き黒子(ぼくろ)なんてあるんだ。
知らなかったな…………。
なんて、のん気に考えられたのはその時だけだった。
「……!!
んっ……………」
せっ、先輩!?
あたしはもうパニックだ。
先輩のほっぺを包む腕を掴む。
「ん…………!!」
うそ?
うそうそうそ!!
なんで?
なんであたしは今、先輩とキスしてるの?