∮ファースト・ラブ∮
麻生先輩が声を肩を動かして、くっくっと笑っていた。
当然、意味がわからないあたしはお猿さんな先輩を見た。
お猿さんの先輩も…………口元にコブシをあてて笑っていた。
なに?
意味わからない。
なんで笑ってるの?
あたしの周りにはハテナマークが飛び散っているだろう。
「……いや。
手鞠ちゃん……キミみたいな娘ははじめてだ」
麻生先輩は笑いながらそう言った。
それって、褒めてくれてるの?
それとも、けなしているの?
あたしはますます意味がわからなくて、ふたりの先輩を交互に見ていた。
「そうだな……親御さんがつけてくれたいい名前、あるもんな。
手鞠ちゃん……でいいのか?
いや、ごめんな」
お猿さんな先輩も笑いながら謝ってきた。