∮ファースト・ラブ∮
「せんぱい?」
やっと唇が離れたと思ったら、
麻生先輩はにっこり笑った。
「いいよ。
付き合おう。
手鞠ちゃん、よろしくね」
いきなりのキスで握る力がなくなったあたしの手から、
手紙をするりと抜き取ると、
先輩はそう言った。
だけど、先輩はキスだけじゃ終わらせなかった。
ちゅっ。
「……!!」
ぼーぜんとしているあたしのおでこ。
先輩は口づけをして教室に戻っていった。
裏庭にひとり、あたしを残して…………。