銀狐の住む街へ -手紙-【完】
「小向のお兄さん! お久しぶりです」


私は懐かしいやらなんやらで、気持ち悪いほどの笑みを浮かべた。


「おー、真左ちゃん。久しぶりだね。元気にしてた?」
「はい、風邪は何度かひきましたけど、元気です!」

「そっかー。でも、元気そうで何よりだよ。で、今日はどうしたの?」

「……あ、はい。それがー……」


手紙を渡した。


それを黙って小向のお兄さんは読んでいる。


「……ははっ、亜月、こんなこと書いてたのか」

「え?」

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