恋愛ウラナイ
ああ。

だめだ。

こんなに赤くなってたらばれる。

きっと
ばれる。

ばれた。

ばれてる。


絶対
ばれてる。


「…………」


沈黙が
怖い。


上げられない。


先生は小さく咳払いをした。

そして、長く沈黙を守ったあと、


答える。




「…わかったから…早くしなさい」




え。


その返答に思わず顔を上げると、私といい勝負なくらい赤面している先生の視線と視線がぶつかった。


え。

ええ?


……。

…………。

…………………。




「…こっち見てないで早くやれ!」




赤い顔のままそっぽを向いてしまったその人に、動悸をとんでもないことにされる。


い…いいんだ。

またこうして勉強、
教えてくれるんだ。

またこうしてふたりで、

こうしてくれるんだ。


いいんだ。

そっか。

いいんだ…。
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