Beautiful Butterfly
「キミも飲まない?」
「………いい。」
写真を手に持ったまま、プンと僕に背を向ける。
そんな姿さえ可愛くて、思わず口元がゆるんでしまう。
「僕の教え子でね、とても素晴らしいピアニストなんだ。」
「……そ、そうね。知ってる。」
「容姿も綺麗だからね、マスコミも放っておかないし。」
「………」
「ヨーロッパで賞を取ってから、彼女は本当に成長したよ。ピアニストとしても……」
「………」
「それから、一人の女性としても……」
「………ネオ…。」
ふいに、花音が僕の名を呼んだ。
低く籠ったその声は、いつもの花音らしならぬ、含みのある物言いだった。
「………いい。」
写真を手に持ったまま、プンと僕に背を向ける。
そんな姿さえ可愛くて、思わず口元がゆるんでしまう。
「僕の教え子でね、とても素晴らしいピアニストなんだ。」
「……そ、そうね。知ってる。」
「容姿も綺麗だからね、マスコミも放っておかないし。」
「………」
「ヨーロッパで賞を取ってから、彼女は本当に成長したよ。ピアニストとしても……」
「………」
「それから、一人の女性としても……」
「………ネオ…。」
ふいに、花音が僕の名を呼んだ。
低く籠ったその声は、いつもの花音らしならぬ、含みのある物言いだった。