Beautiful Butterfly
「花音……」



そっと背後から忍び寄り、その細い肩を抱きしめた。



「花音、どうしたの?」




耳たぶに唇をつけて、静かに問いかけると

花音はそれを拒むように首を横に振った。





「な、何が?どうもしないよ?」


「へぇ……なら、どうしてそんなに可愛い唇を尖らせてるの?」




そう言って、花音の唇にそっと指を押し当てると


花音は顔を真っ赤にして怒ったような表情をして、潤んだ瞳で僕を見上げた。



「別に何もないけど……随分とその子のことを気に入ってるんだと思って!」

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