Beautiful Butterfly
「いいなぁ、あんな家族。」


花音はとても羨ましげに、その家族をずっと見ていた。


「ああいうの見てたら、すごく子供が欲しくなるんだよね。」



花音の言葉はとても直接的で、そして素直で

どうしたらいいか、わからなくなる。



「ネオは、将来何人子供が欲しい?」


「………」


「あたし、3人は欲しいんだぁ。」



たとえ話をよくするのは、キミの心がそれを望んでいるからだろうか。

僕にそれを、望むからなのだろうか。



「ほら、あたしって1人っ子だったでしょう?
賑やかな家庭って憧れちゃうの。」


「………」


「育てるのは大変だけど、きっと楽しいと思うんだよね。」


花音は嬉しそうに声を弾ませて、僕に視線を向けた。

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