猫の飼われ方
「美味い……。」

なんだこれ、久しぶりのまともな食事に感動する。
茶わん蒸し、焼き鮭、海苔の味噌汁、山芋と梅のお吸い物、そしてふっくらと艶のある米……!
何ヶ月ぶりの白米だろう。


「昌美は和食が好きか。」

中之島は食べ方が上品だ。
育ちが食べ方を見れば分かるとよく言われるが、まさにそれだ。
長い指が塗り箸をしっかり捕らえ、器は添えて、口は静謐に動いている。


「好きっていうよりは、うちは小さい頃から和食で育ってて……」

父さんが和食好きで、母さんは毎朝作ってた。
やばい……、なんか……


「昌美……」

席を立って、抱き寄せて来る。
葬式だって、泣いてなかったのに……よりにもよって、中之島の胸の中で泣くことになるなんて……!
< 6 / 6 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:1

この作品の感想を3つまで選択できます。

この作家の他の作品

リモート式恋愛感情【BL】
マコラ/著

総文字数/18,289

その他40ページ

表紙を見る
左に曲がると骨董屋さん
マコラ/著

総文字数/2,048

恋愛(その他)3ページ

表紙を見る
繋がれたリビドー【BL】
マコラ/著

総文字数/10,911

その他20ページ

表紙を見る

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop