365日と、2日
「いってきまーす。」
ローファーを履いている途中、
いつものようにエプロンで手を拭きながら
母が玄関へと駆け寄ってきた。
「ど、どうしちゃったの?いきなり。」
母が目を見開いて、
つま先から頭まで見渡す。
そうなるのも無理はない。
母が知っている私は、
落ち着いた感じの、
世間で言えば地味の2文字が似合う
少女だった。
「イメチェンだよ!イメチェン!」
そういうと母は目を泳がせながら、
「それもいいかもね!」とほほえんだ。
きっとまだ受け入れきれてない。
そんな母にまた「いってきます」とつげ
私は高校にむかった。