光の先に…
「こんなに…っ」
明希達は、昨日の騒動で亡くなった村の人達の墓に来ていた。
ザッと数えて数十人。
あまりにも多すぎるので、手が足りなくなっていた。
燃えて灰と化した建物を見ながら、明希は拳を握り締めた。
「許さない…っ、この村が何をやったって言うの?!」
膝を着き、地面を殴る。
「一体、あのキメラ達は何をしにきたの…?」
震えた声でレクシスが言った。
「わからないな、あいつら暴れるだけ暴れて金品なんか一つも取っていかなかった」
考えれば考える程、解らなくなることばかり。
「まぁ、いづれわかるさ」
「…そうね」
「アタシ決めた。」
明希がゆらりと立ち上がる。
「あいつら、絶対に一発ずつぶっ飛ばしてやる!」
明希は吐き出すように叫んだ。
そんな明希を二人は優しい笑みで見つめていた。
それから!と明希が続けた。
「それから…?」
レクシスがおうむ返しのように問うと明希は拳を空に突き出して言った。
「今度は絶対に名前で呼んでもらうっ!」
この発言の後、二人の笑みが苦笑に変わったのは言うまでもなかった。