愛から2番目
「ごめんなさい!!」

「大丈夫だよ。前みてないと転ぶよ。」

「そうですよね。すみません。」

これが涼との出会いだった。

涼は大きなショルダーバックを肩から下げていて短髪の黒髪に青のブレザーの制服を着ていた。そして、恐ろしく背が高かった。

 それからというもの涼とは毎朝この駅で会っている。

彼は私の一つ上でT高校に通っている。朝早いのはバスケ部の朝練があるかららしい。

涼に合わせて電車に乗るのでいつも学校には一番に着いた。誰もいない教室で読者をするのが私の日課だ。

ただ今日は本を広げる気になれなかった。

どうしてこうなってしまったんだろう。ずっと同じ所をぐるぐる回っている。進もうとしてもまた引き戻される。それが誰のせいなのかわかっているはずなのに…。
「おーはよっ!」

後ろからいきなり声をかけられて思わずびくっとしてしまった。

「あっ、おはよう。」

「どうしたの?奈月元気ないじゃん。」

久美はいつもの明るい調子で言ってきた。

「そんな事ないよ。彼氏と別れただけ。」

「え!?だってまだ2週間だよ!?」

「そうなんだけど…やっぱり無理だよ。久美には悪いと思ってる。」

「私はいいんだけどさ、ねぇ、涼くんの事いい加減ふんぎりつけたほうがいいと思うよ?」

「うん…。」

 久美はあきれた顔で行ってしまった。
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