愛から2番目
「そんなに好きなら告白したらいいのに。」

以前、久美に言われた事がある。それが出来たらどんなにいいだろう。

こんなに苦しいのならいっそ吐き出してしまったほうがどれだけ楽になれるか。

でも、私には出来ない。初めから負けが決まっている勝負にかけれるほど私は強くなかった。


 涼には二年付き合ってる彼女がいる。


 涼と知り合ってから一度だけ見たことがある。どこにでもいそうな普通の人だった。

長い黒髪を一つに結んでいて、落ち着いた雰囲気の人…。

偶然二人でいる所を見てしまった。

目が離せなかった。

涼のその人にだけ向けられる優しい眼差し…あんな笑顔を初めてみた。

考えるより先に私はその場から逃げ出していた。


その日から、私は長い黒髪の人が嫌いになった。
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