愛から2番目
苦笑いをして私が言うと、涼は真剣な顔のまま黙ってしまった。

何で涼が何も言わないのかわからなくて、しばらく沈黙のままでいると

「あのさ、奈月は好きなやついるの?」

「え…?うん。まぁ。」

いきなりの質問につい口が滑ってしまった。

涼にはずっと、好きな人なんていないと言い張ってきたから。

「この前、同じ部活のやつがさ、朝、おれと奈月が話してるのみたらしいんだよ。それで…そいつが変なこと言うもんだから気になっちゃってさ。」


「なに?」


「その…奈月がおれの事好きそうにみえたって。」


顔が真っ赤になったのが自分でもわかった。

なんでそいつはそんな余計な事を言ったんだ。いままでずっと隠してきたのに。気付かれないようにしてきたのに。


「そりゃ、好きは好きだけど…何ていうか、そういう好きとかじゃ…。」


 私はすごく動揺していた。

涼はだまって私の事をみている。

私は涼の顔を見る事ができなかった。

見たら好きだと言ってしまいそうだったから。


「奈月…?」


私は返事もできずにずっと下を向いていた。


どうしよう…どうしよう…

「奈月、何か言って。」


だめだ。もう何を言っても弁解できない。

そう思った時、私の顔を涼がのぞこんだ。

バッチリ涼と目があった。

「おれは好きだよ。」


「え!?」


自分でもまぬけな顔をしていたと思う。
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