夜中に安易にも価値を語る僕と君
「また、殺させてしまったね」
急に現れた僕を、君は特に驚く様子もなく見受けた。
「俺の仕事だろう。
なんでそう申し訳ないみたいな顔してる」
「急にさ。
画面の中とはいえ殺人だなんて、しかも君に犯させていいのかなって」
「なにを今さら。」
「僕はいつだって極論だから、やっぱり浅はかが過ぎるよね。
脳内ではこんなに極端なこと言えるのに現実世界ではきちんと一般人でいるんだから。」
「罪悪感でも感じた?」
「君にね。
…強く哀しくあってほしいって、僕が願ってしまったから。
人殺しは楽な仕事じゃないだろ、記述の中とはいえ、さ」
「じゃあお前は殺人教唆犯だな」
君は、ひどく優しい顔で言う。
ああ、そう。
君にはそう、綺麗であって欲しいと常に願った。