夜中に安易にも価値を語る僕と君
君に振り掛ける悲劇は、君に嘆いてほしいからで。
憧れる対象ともなりえる君をこんなにも苦しめているのはどうなんだろう。
悲劇が好き。
だから描いたのに、それを辿る君が最近見ていられなくて。
だって君にさせていることは屠殺じゃない。
してはならないと、今や最大の禁忌たる殺人をさせて喜んでいる。
外道は僕か。
物語の中のどんな悪者よりも、僕は一番狡猾で卑怯で残酷で。
僕の思考があるから君は生き。
僕の審美があるから君は殺し。
――きっと、君に殺害された何人もの人々にだって、もっと他の誰かに生み出されたら、きっともっと意味ある生を送れたんじゃないかって。
無意味で無価値だと。
僕はなにがしたいんだろう。