夜中に安易にも価値を語る僕と君
「馬鹿」
「いてっ」
全くの無表情になる。
仮面みたいな君の顔はまま僕を映したみたいに酷い目をして。
「傲慢の極みだな。
お前、一体何人の命を案じるつもりだよ」
「…傲慢て、いやいや、そんなつもりはないんだがね」
「傲慢だろ。
別に誰かに何かを啓蒙するわけじゃあるまいし、娯楽に意味を見出だすかお前は。
娯楽は娯楽だ」
「娯楽がために君を生み出してしまったのがなんだか悪くてね」
「その他も同じくか。
なら悪く思う必要はないと思うが。
如何に残酷な運命であれ、生まれるべくして俺はお前に生み出されたのだから。
お前が願うままに道を辿るのが俺の仕事だろう」
「君は、それでいいの?」
うーん、と、ちょっと考えて君は僕を悪戯に見つめた。