愛してます。愛してください。愛してるから。
千夏は指差したほうを見ると悔しそうに唇を噛んだ。

そりゃ、そうだ。
あいつは無自覚だけど相当綺麗な顔をしている。綺麗な顔をしているのに気取らない。
そんな奴なんだ…。

媚びも売らないし、面白いし、俺が好きになるのには十分すぎるくらいの女なんだ。
だから、俺はあいつを…桜を手に入れたい。




俺だけのものに…………。





「ってことで、別れてくれる?」


「分かったわよ!!私を振るなんて、信じらなんない!!」



そう言った千夏にありがとうとお礼を言って頭を下げた。

千夏はゆっくりと屋上から出て行った。
桜を見るとこっちに背を向けて誰かと話をしていたので早く戻ろうと屋上を出た。




龍夜side、end~
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